第9回「将来を考えるシナリオ・プランニングの手法」

By | 2015年12月19日

ウェブページトップキャプチャ平成27年8月19日、すみだガバナンスリーダー養成講座の第9回を開催しました。

[プログラム]
1.シナリオ・プランニングの考え方と事例の説明

2.シナリオ・プランニングの進め方の説明
3.ワーク「2020年すみだでの暮らしやすさ」を考える
4.まとめとふりかえり

未来に変化を起こすプロセスの考え方を地域活動に使おう
今回は、地域活動を進めていく上で有効なシナリオ・プランニングの考え方を学びました。

シナリオ・プランニングは、様々な背景を持つ人が、未来について、理想論や悲観論ではなく、これから“起こりうる”ことに焦点をあてて、複数のストーリー(シナリオ)を考える手法です。ただ予想するだけでなく、未来へのシナリオを考えることを通して、自分自身が何ができるか、何をすべきかを明らかにする手法です。この手法は、南アフリカの人種融和を成し遂げたアダム・カヘン氏が確立したものであり、海外だけでなく島根県海士町など日本での地域づくりでも活かされています。

よいシナリオをつくるためには適切なプロセスをとることが大切
効果的なシナリオをつくるには、下図のように適切なプロセスで進めていくことが大切です。

まず、適切なメンバーを招集します。その後、現在起こっていることを観察し、将来に影響を与える重要な要因にはどのようなものがあるかを考えます。それをふまえて、未来へのシナリオを考えるのです。

受講生たちが、これまでの講座の中で現場訪問や関係者の話を聴いてきたことは、Step1からStep2にあたり、 2020年の未来を考えるために必要な過程だったことを改めて確認しました。

今起きている事象に影響を与えているものを考えることで、未来の変化を描くことができる
シナリオ・プランニングの考え方を、より深く理解するために、実際にシナリオをつくるワークを行いました。テーマは「2020年すみだでの暮らしやすさを考える」。受講生は2つのグループに分かれ、各グループのメンバーが付箋と模造紙を使ってシナリオをつくりました。

現在、すみだが暮らしやすいと思う点を各自3つ挙げ、その3つが今よりも良くなるとしたら、逆に悪くなるとしたら、それぞれどのような要因があるかを考えました。受講生からは、暮らしやすさに影響を与える要因として、インターネットの普及、新住民の流入、コミュニケーションのあり方の変化が挙がり、その要因がさらに良くなる場合、悪くなる場合を考えて、複数の未来のシナリオをつくっていきました。

未来へのシナリオをつくるプロセスにおいて、未来に影響を与える要因を明確にし、それがどう変化すればいいのかを考えると、自分たちが変化を起こすためにすべきことが見えてきます。シナリオづくりは、自分たちがどのような変化を起こせるのかを考えるきっかけとなるのです。


世代や立場の異なる受講生が、視点の違いを感じながらシナリオを作り、新しいアイデアを出しました
チームでのシナリオづくりを通して、受講生は物事のとらえかたの違いや思わぬ共通項を発見していました。世代や立場の異なる受講生による議論は、すみだの町の縮図とも言えます。今回のワークを通じて、異なる世代や立場の人が集まり、シナリオづくりをすれば、自分たちに何ができるか考えるきっかけになると実感することができました。今後、企画・実践編のなかで、この手法を活用していきます。

【受講生の声(コミュニケーションシート)より】
シナリオ・プランニングの枠組みを使うことで、未来、そして未来に向けての対策も見えやすくなると実感した。前向きな議論ができたと思う
シナリオ・プランニングを更に学んでみたいと思った
この手法は地域や会社など色々な場所で活用できると思った
チームで一緒に考えることで「つながり感」がアップした気がします
大学院での自分の研究内容を整理することができ、考えがまとまった
グループで話し合うことで、テーマに広がりが出て内容が面白くなった
似通った未来の状況をグループによって違うシナリオに描いていて、人によっていろいろな見方があると感じた


【事務局より】
今回の講座アンケートでは、受講生同士の対話のワークを評価する声が集まりました。一方、ワークの時間がもう少し欲しかったとの意見も出ました。限られた時間のなかでの説明と対話との時間配分については、今後も充分に検討を行っていく予定です。特に企画・実践編に入る9月からは、対話の時間の重要性がさらに増します。受講生の皆さんが対話から多くを学べるよう、さらに工夫していきます。